『1年以上米国を離れるとグリーンカードの資格が無くなる』と言う話は、よく耳にされると思います。
何年国外で暮らしても問題無く米国に戻ってこられる米国市民権とは異なり、米国永住権保持者は1年以上にわたって米国を不在にする場合、『永住する意思が無い』とみなされ、永住権は失効してしまいます。
『1年以上米国を離れることは無い』と思っていても、ご自身の健康上の理由や家族の事情、特に高齢の両親が日本にいる場合は短期の一時帰国ではカバーできない場合も出てきますよね。
この様な状況での永住権失効を防ぐために申請するのが、Re-entry Permitと呼ばれる再入国許可証です。
このブログでは、既に永住権取得済みの方が再入国許可書の申請(I-131)を行う場合を対象に、フォームとその記入の仕方、必要書類、料金、郵送方法、等、実際の経験を基にまとめていく予定です。
今回はその初回という事で、申請に関する全体的な要点や大まかな流れについて見ていきたいと思います。
Re-entry Permitについて
Re-entry Permit(再入国許可)とは米国の永住権保持者が1年以上2年未満米国外にいても、永住者のステータスを失うことなく、米国に再び入国することを事前に許可してもらうシステムです。
米国永住権を維持するには最低でも年間180日(6カ月間)は米国内に居住していることが条件とされてる為、一般的には6カ月以上米国を離れる場合はこの再入国許可を申請をしたほうが好いと言われています。
しかし、米国外の滞在が6カ月を超えたからと言って直ぐに剥奪されるわけでは無いようです。やむを得ない事情があり、入国審査官を納得させられる理由があれば最初の1回は米国外にいた日数がオーバーしていても再入国できたという方が多いです。
実際に私も母の手術で8カ月近く日本に滞在して戻ってきた際に、きちんと理由を説明したところ、問題無く入国が出来ました。ただ、私の場合直近の5年間は3カ月おきに日本と米国を行き来していたせいもあってか『次回国外に出る時はRe-entry Permitを申請するように』と入国審査官からその場でお達しを受けましたが...(--;)
読者の皆さんから頂いたお問い合わせは追加で下記の記事にまとめてみました☟

申請を始める前に注意するコト
- 必ずUSCISのオフィシャルサイトを利用する
USCIS のオンラインアカウントの開設や申請書のダウンロードは無料です。インターネット検索をしていると、申請書を有料でダウンロードするサイトをたまにみかけますが、これらのサイトはUSCISとは全く無関係なので気を付けましょう。
USCISのオフィシャルサイト - 申請書は最新のものを使用する
申請書の左下にフォームがアップデートされた日付が入っています。2020年12月時点でのForm I-131の最新版は04/24/19(=2019年4月24日)です。 - インストラクションは必ず読む
米国では申請に係る情報や書式が比較的頻繁に変更されます。変更が直ぐに申請書に反映されていない場合もあるので、USCISのサイトやインストラクションは必ず読んで確認しましょう。 - 申請してから指紋採取が終了するまでは米国内で待機する
生体認証検査が終わる前に米国外に出てしまうと許可証の申請を放棄したとみなされてしまい、申請手続きが行われません。 - 申請書の署名欄には必ずサインをする
どんなに申請書や他の書類が完璧に揃っていても、署名が無ければ受付けてもらえません。申請書の署名と日付の欄は忘れずに記入しましょう。
再入国許可証の申請に必要なもの
申請者の状況にもよりますが、最低でも必要なのが下記の4つです。
- I-131申請書
- パスポートサイズの写真2枚**下記を参照ください
- グリーンカードの裏表コピー
- 申請料

パスポートサイズの写真は2 x 2インチの大きさで直近30日以内に撮影されたものニャ。
USCISのインストラクション上は:
“If you are outside the United States and filing for a Refugee Travel Document, or if you are in the United States and filing for an Advance Parole Document: You must submit 2 identical color photographs of yourself taken within 30 days of the filing of this application….”
From the instructions for Form I-131, https://www.uscis.gov/sites/default/files/document/forms/i-131instr.pdf
と、記されていて、永住権保持者の再入国許可証申請に対して特に写真は必要とされていません。
が、2020年に発生したコロナの影響によりbiometric exam(指紋採取と写真撮影)が免除されるケースがでてきています。
Biometricのやる/やらないは移民局側の判断なので何とも言えませんが、もし免除となった場合、写真はどうなるのか?と言う疑問が出てきたので申請当時に色々調べました。
直接の解答となるものは見つけられなかったのですが、写真に関しては
●最初の申請時に提出してしまう
●移民局から指示があるまで提出しない
の、ふたつに意見が分かれる様です。
最初の申請時に提出してしまうことのメリットは、biometric免除の通知を受取った時点で米国外に出る事が出来ることです。デメリットはbiometricを受けなければならなくなった場合に提出した写真がムダになってしまうことでしょうか。
このコロナ禍での永住権保持者の再入国許可証申請時に写真を提出するかどうかは個人で判断していくしかないかと思います。最初の時点で写真を提出していなくても申請は通りますし、提出したからといって却下されることはありません。
ちなみに、私は最初の申請時に写真を提出しています。私が申請した当時はコロナ禍の真っ只中で郵便物のトラブルが多発していた時期だったこともあり、提出物を分けて送るのはリスクが大きい気がしたので、移民局から指示があるまで提出しないと言う選択肢は避けました。
再入国許可証の申請料
年齢によって異なります。
申請者が14~79歳の場合は生体認証検査が必要となる為、申請料は合計660ドルです。

基本的に申請料金はいかなる理由があっても一旦支払いをしたら戻ってきません。すなわち、USCISの判断により申請が却下された場合や、途中で気が変わって自分で申請を辞退した場合にもリファンドはされないのでご注意を!
申請から許可が下りるまでの大まかな流れ
まとめ
永住権保持者が1年以上2年未満米国を離れる場合で、且つ永住権を維持したい場合は再入国許可証(I-131)の申請が必要となります。申請の際はUSCISのオフィシャルサイトを利用し、インストラクションには必ず目を通しましょう。最低でも出発予定日の60日前から申請を始めること(=指紋採取が終了するまでは米国内にいること)に注意が必要です。

次回はSTEP1のForm I-131を記入して他の必要書類と共にUSCISに郵送するをお伝えするニャ。