ロックダウンが解除されてから3カ月ほどが経ちました。経済活動は徐々に再開されているNYですが、マンハッタンの中心街は人影もまばらで、空室にテナント募集の広告ばかりが目立ちます。実際に歩き回ったマンハッタンの現在の様子をシェアしたいと思います。
地下鉄
ニューヨーク市内の移動には欠かせない地下鉄。
このパンデミックが発生してから半年で大きく変わったのは下記の3点です。
- 非接触型料金支払いシステム(OMNY)の普及
- 24時間地下鉄運行の停止
- マスク着用の義務化
2019年の5月から採用され始めた非接触型料金支払いシステム、『OMNY(=One Metro New York)』がこの半年間でマンハッタンのほぼ全ての地下鉄駅に設置されました。
OMNYとはいわゆる日本のスイカのようなモノ。改札にある機械(写真上)にスマホやクレジットカードをピッとかざすと運賃が課金される仕組みです。今まで使われていたメトロカードもOMNYが全てのATMの交通機関に適用される2023年まではそのまま使えます。
地下鉄は夜中1時~5時は消毒の為クローズして、これまでの様な24時間の運行がなくなっています。この運休と消毒のお陰で、地下鉄構内も車両も今までに無く清潔になったのは嬉しい変化でした。
MTAが運営する地下鉄、バス、鉄道、いずれの交通機関でもマスクの着用が義務となりました。更にこの2020年9月14日からはマスクの着用を拒否した場合50ドルの罰金が科されます。
もしマスクを忘れたら地下鉄の改札で無料でもらえるニャ。
実際に地下鉄に乗車してみた感想は、とにかく“人が少ない”です。出社せず自宅からの仕事に切り替わった人が多いのと、学生の通学が無くなったことで、同じマンハッタン内でも特にオフィス街のあるミッドタウンエリアは人もまばらです。
ミッドタウンを離れて、アップタウンまたはダウンタウンに向かって行くと人が増えていきます。日本でも東京の中心街に人影が無くなって、その周りの居住地域では人が活動しているのと似ています。
地下鉄の車内は空いていれば、基本的に皆距離を取って座っているので安心です。ただし、人が少しでも多く乗車してくると車両によってはソーシャルディスタンスが全く無くなります...
数はめっきり減りましたが地下鉄ミュージシャンもしっかりマスクをして健在でした。駅構内のキオスクはオープンしているとこもあり、フルーツやチュロスの売り子さんも結構普通にいます。
マンハッタン市内の様子
日本ではアメリカでマスクをしない人のことがニュースで取り上げられていますが、早い段階で感染者数が爆発的に伸びてしまったNYではマスクをしている人がほとんどで、そういう意味では安心して歩けます。
マスクをしていないと屋内に入ることが出来ません。『Mask Required』、『No Mask, No Entry』等、マスクの着用を促す注意書きがほぼ全ての店舗やビルの入り口に貼り出されています。
通りでは手作りのマスクや箱入りのマスクを売っている人たちの姿を沢山見かけるようになりました。マスクをしなかった文化の人々がここまで変わるのかと、本当にびっくりしてしまうほどの変化です。
マンハッタン市内はパッと見ただけでも、撤退してしまった店舗が明らかに多く、ビルの1階が空室になっているのが目立ちます。
現在、NYは全体的に治安が悪くなっていて、特に女性の1人歩きの危険性が取り上げられています。今のところ私自身は特に身の危険を感じる出来事には遭遇していません。しかし、2001年の9.11や、2008年のリーマンショックの時にも感じられなかった経済的打撃の大きさは、今回のコロナ禍では明らかに感じます。
ホームレスの数もマンハッタンを中心に増加しています。
レストランはテイクアウトか、店内のテーブルと椅子を外に運び出して屋外テントで営業してる状況です。今のところ涼しくてお天気に恵まれていますが、寒さが増したり、雨が降ると売り上げに大きな影響が出そうです(9月30日からは州のガイドラインを守りながらであれば、客席の25%は屋内営業が可能となります)。
レストランの屋外営業で良いなと思った点は、普段は行ったことのないレストランでどんな料理がサーブされているのか、目で見て匂いも味わえること。美味しそうだなと思ったレストランからはメニューを貰ってきて、今度テイクアウトしてみようと思うきっかけにもなっています。
現在は美術館やギャラリー、スパなども人数制限を設けながら少しずつ営業を再開しました。
変わらずオープンし続けているお店の中で意外だったのが、ネイルサロンです。中にはチェーン店もありますが、NYにあるネイルサロンの多くは個人のオーナーがビジネスをしているところがほとんどです。皆、撤退すること無く、しっかりお店を続けていました。ニューヨーカーにとって、ネイルサロンが日常生活に根付いていることを改めて感じます。
ちなみに、施術はネイリストとお客さんの間に置くスチール版の下の方に2ヵ所穴が開いていて、その穴にお客さんが腕を通して行っていました。感染対策もしっかりとられている様です。
ホールフーズ
米国のスーパーマーケットと言えば、ホールフーズですね。NY市内には何件か店舗がありますが、その中でもコロンバスサークル(59丁目)のホールフーズは感染症対策をしっかりしていました。
お店には地下に行くエスカレーターを使うのですが、ここに係員がいて、いったん外の列に並ぶように指示されます。一度に多くのお客さんが入店してしまわない様に、20人前後のお客さんを時間を空けて入店させます。入り口では皆サニタイザーで手を消毒してからエスカレーターで地下に降りて行きました。
地下に着くと、カートやカゴが並べてあるところにまた別の係員がいて、消毒済みのカートをくれます。お店の中はそれなりに人はいるものの混んではいないので、レジに並んで待つことは全くありませんでした。
また、ホールフーズが入っているタイムワーナービルのトイレは、ソーシャルディスタンスを保てるように、手を洗うシンクが1つ置きに箱で塞がれていたり、ハンド・ドライヤーは使えない様になっています。
セントラルパーク
一時は、仮設病院が設置されていたセントラルパーク。ジョギング、サイクリング、散歩、読書、昼寝、等々、公園にはパンデミック前と変わらぬ日常が戻りつつあります。
訪れたのは日曜日だったせいか、家族や友人同士で集まってランチをしている人が沢山いました。中にはバースデー・パーティーをしている人々も。セントラルパークでお馴染みのリス達が冬を越す前の食料集めで元気いっぱいに活動しています。
街は人が少なく活気も無い状態ですが、セントラルパークの中は不思議と穏やかさと安心感、そして人々の希望に満ちていました。ニューヨークにセントラルパークがあることの有難さを改めて感じます。
Levain Bakery
このブログで一番最初に記事を書いた、NYならではのクッキーを販売しているLevain Bakeryにも久しぶりに訪ねてみました。
現在アップタウンの74丁目店は一時的にクローズしていますが、そこから2本道を北上したアムステルダムアベニュー店は営業を続けています。
地下鉄駅からお店に向かう途中にベーカリーの袋を提げた人と何人もすれ違うほど、相変わらずの人気ぶりです。最近ではワシントン州にも新たな店舗を出したばかりのLevain Bakery。お家で過ごす時間が長くなった今、改めておススメしたいクッキーです!
もしかして買い時? - 米国株 ”Sturbucks”と”Spectrum”
最後は”Sturbucks”と”Spectrum”について。
ご存知の通り、Sturbucks(スターバックス)は日本でもお馴染みのコーヒーチェーン店です。そしてSpectrum(スペクトル)はチャーター・コミュニケーションズのブランド名で知られる米国のケーブルテレビや携帯電話サービスを扱う電気通信会社。あの超有名な投資家のバフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが株主でもあります。
なぜ突然こんな話をしているかと言うと、最近の個人投資家の増加に因んで、街で見かけたコトのひとつとして取り上げてみました。
このパンデミックにも関わらず、マンハッタンやクイーンズで新しく店舗をオープンしていたのがこの2社です。
Sturbucksに関しては、クローズされた店舗もありましたが、事業の悪化と言うよりは、これからを見据えて業績の振るわない店舗を整理して、新たな場所でオープンして行こうとしている模様です。
一方のSpectrumは、コロナ禍で自宅で過ごす時間が多くなったことでテレビとインターネットの需要が増していることに加え、これから5Gになることもあり既に注目が集まっている銘柄だと思います。街を歩いていて気が付いただけでも3店舗オープンしています。
私が見ているのはNYの街角のほんの一部の出来事なのですが、この2社の株に関しては、今後に期待が出来るのかもしれません。
投資は自己責任。自分できちんと調べてニャ~。